横浜北仲マルシェをもっと、おもしろく!

ストーリーズ 〜横浜北仲マルシェで出会える魅力の裏話〜

ストーリーズ 〜横浜北仲マルシェで出会える魅力の裏話〜

Interviewer

多くの方に横浜北仲マルシェの魅力を知ってもらいたい!
そんな思いを持ち発足した編集部のメンバーが、
オリジナルの視点と切り口で出店者さんに迫ります。

Vol2 2019 / 3 / 25(月)

肉や魚だけでなく、納豆やチョコレートにも!?
元音楽家が作る「ゴールデンマスタード」の活用法

圧倒的な汎用性の高さから、マスタードの概念を覆している「ゴールデンマスタード」。
横浜北仲マルシェでもリピーターが続出しています。
開発者である北山太一朗さんのキャリアと、ゴールデンマスタードの活用法についてお話を聞きました。

ミュージシャンと飲食店の二足のわらじ

ゴールデンマスタードを利用した食事が食べられる御茶ノ水のお店、熟成肉&WINE Bistro29 (ビストロニーキュー)

ゴールデンマスタードを利用した食事が食べられる御茶ノ水のお店、熟成肉&WINE Bistro29 (ビストロニーキュー)

北山さんはゴールデンマスタードの開発に加えてこのお店の運営にも関わっているのですよね。
どういったキャリアを歩んできたのでしょうか?
京都の大学に在学中は、ミュージシャンとして活動していました。

CDを出したり、日本全国をツアーで回ったり。とはいえ卒業後のことも考えなければいけなくなって、どうせ働くなら何か美味しいものを食べられればいいなと思っていました。

卒業後は東京の高級なレストランにアルバイトとして入って、ミュージシャンと飲食店の二足のわらじを履いていましたね。
ミュージシャン?異色ですね。活動中に飲食店でアルバイトなどはしていたのですか?
音楽が忙しすぎて、アルバイトはしていなかったんです。

就職活動すらまともにできない状態だったので。ミュージシャンとして食べていくことも考えていましたし、大学のうちは1人で活動していたので、ある程度お金も稼げていました。

ただ、上京してバンド活動を始めたのですが、バンドだとメンバーにも給料を払わないといけなくて。お金を稼いで食べていかないといけない中で、美味しいものを食べながら稼げるところに就職しました(笑)。
飲食店での経験がないなか高級なレストランに入って、問題なく溶け込めたのでしょうか?
幸いにもサービスマンとしてすごく評価してもらって、アルバイトからリーダー、リーダーからマネージャーになることができました。決して自分の意志ではなかったものの、自然と出世していったんです。

その後はぐるぐるナインティナイン(日本テレビ)にも出たことがある他の高級レストランに移動しました。
様々なお店を経験して、今の場所にたどり着いた、と。
今勤めている「熟成肉&WINE Bistro29」の前には、「角打ち神田小西」というお店で店長をやっていました。そのお店ではワインを扱うので、ワインの知識を得るためにソムリエの資格を取りました。

今のお店に移動してからは、1級レストランサービス技能士の資格も取得しています。

ソムリエである北山さんが
チョイスしたワインも並ぶ

ソムリエになるにはかなりの勉強が必要だと聞きます。
かなり大変でした。ソムリエとレストランサービス技能士の資格は、仕事で必要だから取っただけなんですけどね。

ただ、その努力の甲斐もあって、ワインスクールの講師もやらせていただきました。今はホテルの専門学校で講師を続けています。
かなり忙しそうですね。ところで、音楽活動はどのタイミングで区切りをつけたのでしょうか。
8年前働いていたレストランのマネージャーになった時に、かなり忙しくなってしまって。

ちょうど音楽にも限界を感じていたタイミングではあったので、ここで一度辞めることにしました。またできる機会があればチャレンジしたいです。

ゴールデンマスタードが出来るまで

今の熟成肉&WINE Bistro29で働いている中で、なぜゴールデンマスタードを作ることになったのでしょうか。
このお店では熟成豚とワインを取り扱っているのですが、熟成豚に合う柚子胡椒やガリなどの調味料を作っていました。その中で、豚肉に合う海外のマスタードを使っている鉄板焼き屋さんがあることを知って、私たちも使ってみることにしました。

いざ使ってみると、うちのシェフが「もっと良いものを作れるんじゃないか」と言ってきて。そこで自分たちで作ってみることにしたんです。ただ、想像以上に難しかったです。マスタードには熟成期間が必要なので、作ってから1ヶ月くらい待たないと味見も出来ないんです。
かなり完成までは時間が掛かりそうですね…。
それでも試行錯誤を重ねて、2年かけてようやくゴールデンマスタードが完成しました。その中でも特に苦労したのは、美味しくなかった時に原因を見つけなければいけないことと、知識がない中でいろいろと勉強しながら、ラベル、容量、価格、コンセプトなどを決めていったことです。

諦めそうになったこともありましたが、それでも諦めないと決めていたので、失敗しても何度もチャレンジし続けました。
もともと消費者向けではなく、業務用に作っていたのでしょうか?
レストランなどに使ってもらいたいとは考えていました。そういった商品がなかったからです。

そこまで“売る”ことを目的とはしていなかったんですが、お店で使っていく中でお客様から「売ってほしい」という要望があったので、広く販売することになりました。
どのようなお店で利用されていますか?
ステーキやパン、ハンバーガー、お寿司などのお店や、バーベキュー場、ホテルのウエディングなどで使われています。
いろいろな料理に使えるので、求める人も多そうですね。
熟成豚に使うことを目的にしていましたが、製作者には私以外にフレンチのシェフと、和食の料理人がいました。フレンチに寄りすぎると和食の料理人からしたら「これはちょっと...」となりますし、和食に寄ると「ワインに合わない」という意見が出てきます。

そうして3人の味覚と感性をぶつけあった結果、酸っぱすぎず、辛すぎず、良い意味で丸いマスタードができたんです。
「ゴールド」と「ブラック」の2種類があるので、料理によって使い分けられるのも良いですね。
1種類だと「美味しい」か「美味しくない」かで終わってしまいますが、2種類あると「こっちのほうが好き」というふうに好みによって選べますよね。

横浜北仲マルシェで2種類を用意した時には、お客様の好みがかなり分かれていました。家庭での食事の傾向に合わせて使い分けるのが良いと思います。
それぞれの種類で、使うのにオススメの料理はありますか?
ゴールドは豚肉、鶏肉、白身魚、卵料理、納豆などに合います。ブラックは牛肉、赤身魚、卵かけご飯に合いますし、何よりも燻製卵やベーコンなど、燻製のものにかけると抜群に美味しいです。

ゴールデンマスタードは足し算ではなく“かけ算”の調味料なので、すでに完成しているものにかけると旨みが増します。そのまま食べたり、パンに乗せたりしても美味しいですよ。

ゴールデンマスタードを使ったポークソテー。
編集部で美味しくいただきました。

チョコレートにも合うとお伺いしましたが...
チョコレートには甘みだけでなく苦みもありますよね。ゴールデンマスタードも、米酢やはちみつ、白醤油、みりんといった様々な調味料でできています。その複雑な旨みがチョコレートとうまく絡むんです。

ゴールデンマスタードは、開封して月日が経つと辛みが飛んでいきますし、温度によっても味が変わってきます。冷蔵庫に入れると酸味が出ますし、常温で置いておくと甘みが出ます。そうして味の変化を楽しむことができるのも特徴ですね。
本当に幅広い用途で使われていますね。最初は営業などを行なっていたのでしょうか?
実は、一度も営業をしたことはありません。マルシェで出会った方や飲食店の知り合いに食べてもらったら「使いたい」と言ってくれることが多いです。

あとは昨年11月の調味料選手権で優勝したことで、メディアにも多数取り上げていただいて、注文がかなり増えました。
今後、マスタードの種類は増やしていくのでしょうか?
ブラックよりももっと真っ黒のものを出す予定です。魚に合わせたマスタードで、お寿司にも使えます。あとはゴールデンマスタードドレッシングも開発しています。
ゴールデンマスタードは横浜北仲マルシェでもかなり人気です。
とはいえ、最初に勝どきの太陽のマルシェに出たときは懐疑的な目で見るお客さんが多かったのではないでしょうか(笑)。他のお店を見るといろいろなものを売っている中で、私たちはマスタードしか売っていなかったので。ただ、シンプルなほうが印象にも残るので、あえて絞ってみました。

その後も次々にチャレンジしていこうと思って、横浜北仲マルシェにも出店しました。ありがたいことに、ゴールデンマスタードの購入者は横浜の方が一番多いんです。
様々なメディアやマルシェで露出したことによって、リピーターも増えていると思います。
今は私自身が発送を行なっていることもあって、なかなか追いついていないです(笑)。

オンラインショップでは在庫切れになっていることもありますが、私たちは対面販売を大切にしているので、マルシェに来れば必ず在庫はあります。
これからまだまだ大変になりそうですね。最後に、横浜北仲マルシェに出店されている中で、お気に入りのお店を教えてもらえますか?そして、マルシェの魅力も。
「紀州福の梅本舗 みやぶん」さんの梅干しや、「篤家」さんのカンボジア胡椒、「Naturalsweets toitoi(ナチュラルスイーツ トイトイ)」さんのスイーツはよく買っています。

マルシェには様々なドラマを持った方々が出店されているので、すごくエネルギーに満ちていますし、そういったお店を発見できるのもマルシェの魅力だと感じています。 みやぶん 篤家 Naturalsweets toitoi

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